掛け捨てを無駄にしない自動車保険選びとは
自動車保険には、強制的に加入させられる「自賠責保険」と任意で加入する「自動車保険」の2種類に大きくわけられますが、基本的にはどちらの自動車保険も「掛け捨て」です。
自賠責保険は強制加入させられるといった部分を考慮しますと、やむを得ない気持ちにもなりますが、任意の自動車保険につきましてはできる限り無駄にしたくないと考えるのが自然だと考えます。
そこで今回は、任意加入の自動車保険における掛け捨てを無駄にしない自動車保険選びについて、基本的な部分を中心に解説していきたいと思います。
本記事において、改めてふと気がつけることもきっとあると思いますので、自動車保険の再確認といった意味において活用いただければ幸いです。
目次
1. どこで自動車保険を掛けるのが得策なのか
平成28年3月現在において、自動車保険の契約方法は「保険会社や保険代理店との対面契約」のほか「インターネットを利用したダイレクト自動車保険」が主流となっています。
実は、今から20年以上も前の時代には、どの保険会社で自動車保険を掛けても保険料は同じだったという時代がありました。
この時代は外資系の損害保険会社が日本へ参入したことによって時代が変化し、現在の「保険料差別化」といったものが始まりました。
20年以上前の当時を振り返ってみますと、保険会社での対面加入はもちろん、自動車ディーラーや自動車メーカー、現在でいうところの保険代理店が自動車保険に加入するための主な手続き場所となっていました。
そして現在の保険代理店がプロフェッショナルとして推奨されており、良い自動車保険に加入するためには保険代理店が得策だという考え方が多かったと思います。
それから20年以上経過した現在において、インターネットが普及したことによる「ダイレクト自動車保険」をはじめFP(ファイナンシャルプランナー)がプロフェッショナルとして認められる時代が到来しております。
もちろん保険代理店に属していながらFP資格を有している人も大勢おられ、保険代理店もプロフェッショナルだと考えます。ただ、どちらの時代においても共通して言えることがあります。
- 相談する人が自動車保険に詳しいかどうか
- 万が一の時には、迅速かつ親身になって対応してくれるかどうか
- 知識と実績をはじめ資格のランクは高いか
いつの時代においても上記3つは自動車保険を掛ける上で共通する得策ポイントです。自分に合った最適な人を見つけられることが掛け捨てを無駄にしない自動車保険選びに繋がってくると考えます。
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2. 自動車事故で心配なのはどんなこと?
仮に自動車事故を起こしてしまった時、みなさんは自動車保険に何を求めますか?
- 相手も自分も完璧に補償してくれること
- 事故解決までのアフターフォロー
- 保険料の安さ
- その他
これは人によって考えは異なりますし、保険会社によって強みも異なります。現実問題としてこれはご自身で調べたりしなければならないのですが、その中でも特に気をつけなければならないことは「保険金が支払われる場合を確認すること」です。
具体的には「約款」に目を通すことになりますが、細かな字で複雑かつ難しい表現で書かれているものを読む気になれないのが本当のところだと考えます。
もちろん約款をすべて読むことが望ましいのですが、せめて自身が自動車事故で心配なことを想定し、仮に自動車事故が起きてしまった場合にどのような時に保険金は支払われて、どのような場合に保険金が支払われないのかをしっかりと確認しておきましょう。
読んでわからない場合は、必ず口頭で確認し、できることなら「約款にしるしや付箋を貼っておく」などわかりやすく工夫しておくことが望ましいでしょう。掛け捨てを無駄にしない自動車保険選びとは、自分の心配事についてしっかりと補償される保険選びだと考えます。
3. 現在と昔の自動車保険選びには違いがたくさんあった
現在と昔の自動車保険を比べたところで特に何かが変わるといったことはありませんが、少し知っておくだけでも、自動車保険に対する見方が変わるかもしれないと思いました。
そこで、私なりに現在と昔の自動車保険を比較して特にこの点は大きく変わっているといったものをいくつかピックアップして紹介していきます。ちょっとした読み物感覚で目通ししてもらえればと考えます。
補償内容 | 現在 (平成28年3月現在) |
昔 (平成8年3月) |
---|---|---|
支払保険料 | 任意の自動車保険料は保険会社によって差別化が図られている。ただし自賠責保険料に保険会社間の違いはない | どの保険会社で掛けても保険料が同じ |
対物補償 | 無制限 | 無制限ではなかった |
等級据え置き事故 | 偶発的な等級据え置き事故でも場合によっては1等級ダウンする事故も設定された。たとえば、飛び石によるガラスの破損修理などがこれにあたる | 等級据え置き事故にあたる事故について等級が引き下げになることはなかった |
細かく挙げるときりがありませんが、20年という月日が経過した中で、裁判所の損害賠償支払命令による判決、自動車保険業界の取り決め、保険契約者のニーズなどありとあらゆるものが変化し現在の自動車保険があることになります。
現在も電気自動車、ハイブリッド自動車などエコカーに対する保険料緩和措置などを設けたりしている保険会社も多数あり、これも時代の流れであるといえます。
4.掛け捨てじゃない自動車保険はあるのか?
自動車保険は基本的に掛け捨てだとご説明しましたが、厳密にはいくらか払い戻しを受けられる保険も存在します。
ただし、いわゆる「積み立て型」の自動車保険は今のところ国内では見当たりません。基本的には掛け捨てだけれども、契約期間中に事故を起こさなかった場合に「無事故祝い金」という形で還付を受けられる保険がまれにあるのです。
2018年5月現在、無事故祝い金の制度がある自動車保険としては、あいおいニッセイ同和損保の「無事故祝い金付きロング」があります。
あいおいニッセイ同和損保「無事故祝金付きロング」
無事故祝い金付きロングは、3年契約の自動車保険です。
3年間事故を起こさなかった場合、初年度保険料の10%を無事故祝い金として受け取れます。もし初年度に支払った保険料が10万円だった場合、10,000円がもどってくるということです。
還元率はそれほど高くありませんが、自動車保険にはじめて加入する人や、免許取りたての若い人の場合は保険料が高くなりがちですから、1割がもどってくるのはありがたいと思います。
また、こうした長期契約型の自動車保険のもう一つのメリットが「万が一事故を起こしても、途中で保険料が上がらない」ということです。
通常、事故を起こすと3等級(場合によっては1等級)ダウンし、翌年度からの保険料が上がってしまうのですが、長期契約型の自動車保険では、事故の有無にかかわらず契約期間中の保険料は一律となっています。
逆にいえば、その間は等級が上がらないということです。たとえば13等級で加入して1年間無事故だった場合、1年契約の自動車保険であれば翌年度は14等級、翌々年度は15等級に上がりますが、3年契約の自動車保険では2年目も3年目も13等級のままになります。
これをメリットとするかデメリットとするかの考え方は人それぞれですが、乗る人に合わせた格安なダイレクト型自動車保険がたくさんある今、こうした長期契約型の自動車保険の需要が少なくなっているのは事実でしょう。
実際、少し前までは三井住友海上の「もどリッチ(ニューもどリッチ)」など、無事故祝い金を受け取れる長期契約型の自動車保険がほかにもあったのですが、現在はあいおいニッセイ同和損保の「無事故祝い金付きロング」のみとなっています。
「契約途中で保険料が上がらない」「毎年更新する手間がかからない」「無事故祝い金を受け取れる」という3つのメリットはあるものの、総額で比較すると1年契約の自動車保険のほうがお得になる場合もありますので、慎重に比較検討することが大切です。
5. まとめ
今回は、掛け捨てを無駄にしない自動車保険選びを解説させていただきました。あくまでも私個人の考え方に偏ってしまう部分もありますが、掛け捨てを無駄にしない自動車保険選びを以下にまとめてみました。
- 相談する人が自動車保険に詳しいかどうか
- 万が一の時には、迅速かつ親身になって対応してくれるかどうか
- 知識と実績をはじめ資格のランクは高いか
- 自分の心配事についてしっかりと補償される保険かどうか
- 現在という時代とマッチングしている保険かどうか
上記の項目が満たされる自動車保険は、掛け捨てを無駄にしない自動車保険選びができているのではないかと考えます。
本記事の執筆にあたり個人的に興味深かったのは、自動車保険に関する20年前の書籍に目を通した際に、外資系保険会社の自動車保険に加入する懸念がずらっと書かれていたことです。
当時の書物は誹謗中傷が多かったように個人的には感じておりますが、現代を振り返ってみますと生命保険も損害保険も外資系保険会社の勢いは少なからず保険契約者にとって有利な方向へ働いているような気がしてなりません。
良い保険選びとは、国内、外資、大手といった大枠にとらわれることがなく客観的に考え、自身が納得して加入した保険であると私は常に感じております。
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