飛び石でガラス交換が必要に!自動車保険(車両保険)を使うかどうかの判断基準
「飛び石」によるガラスの損害は、自動車運転をしている以上、どうしても避けて通ることができず、いわば、偶発的な事故にあたります。
仮に、飛び石によってガラスに損害を受けてしまった場合、ご自身が自動車保険に加入していることに加え、飛び石によって生じた損害を補償する車両保険に加入していなければ保険金を受け取ることができません。
さらに、ただ車両保険に加入していれば良いといったわけではなく、自動車保険に加入する保険会社によっては、「飛び石によって生じた損害も補償される車両保険に加入していること」が必要になります。
そこで本記事では、飛び石でガラス交換が必要になった場合に利用することができる車両保険の補償解説をはじめ、飛び石でガラス交換が必要になった場合における自動車保険(車両保険)を使うかどうかの判断基準について解説を進めていきます。
飛び石が補償される車両保険であるか必ず契約前に確認しましょう
冒頭では、自動車保険に加入する保険会社によっては、「飛び石によって生じた損害も補償される車両保険に加入していること」が必要になるとお伝えしましたが、とても大切な注意点になりますので、本項では、「ソニー損保」と「セゾン自動車火災保険 おとなの自動車保険」を例に紹介しておきます。
ソニー損保の車両保険の場合
損害内容 | エコノミー型 | 一般型 |
---|---|---|
他車との衝突・接触 | 〇 エコノミー型では、相手車の登録番号等と、その運転者または所有者が確認できた場合のみ補償される |
〇 |
落書き・いたずら | 〇 | 〇 |
盗難 | 〇 | 〇 |
飛来中または 落下中の他物との衝突 |
〇 | 〇 |
台風・竜巻・洪水・高潮 | 〇 | 〇 |
火災 | 〇 | 〇 |
あて逃げ | × | 〇 |
転覆・墜落 | × | 〇 |
単独事故(電柱に衝突など) | × | 〇 |
自転車との接触 | × | 〇 |
地震 | × | × |
噴火 | × | × |
津波 | × | × |
※ 出典 ソニー損保 飛び石による損害は自動車保険(車両保険)で補償されますかより引用
ソニー損保の場合は、車両保険が「エコノミー型」と「一般型」の2つにわかれており、いずれの車両保険に加入してあったとしても飛び石による損害は補償されることになっているのが確認できます。
セゾン自動車火災保険 おとなの自動車保険の場合
※出典 セゾン自動車火災保険 おとなの自動車保険 車両保険より引用
セゾン自動車火災保険おとなの自動車保険の車両保険に加入する場合、ただ車両保険に加入しているだけでは飛び石による損害は補償されず、「火災・落書き・台風」が補償されるものに加入していなければ補償が受けられないことを意味します。
このように、ただ車両保険に加入していれば、飛び石による損害について補償されると考えるのは、大きな誤りであり、契約する保険会社によって、車両保険で飛び石が補償されるのか、補償されないのかをしっかりと確認しておくことが大切になるわけです。
飛び石でガラス交換が必要になった場合に保険を使うかどうかの判断基準
本項では、飛び石でガラス交換が必要になった場合に保険を使うかどうかの判断基準として、考えておきたいポイントを3つに分けてそれぞれ解説を進めていきます。
飛び石による損害で自動車保険を利用した場合、等級が1等級下がる
加入している自動車保険や保険会社を問わず、仮に、飛び石による損害でご自身が加入している自動車保険を利用した場合、翌年度における自動車保険の等級が1等級下がることになるため、結果として、翌年度に契約する自動車保険料の負担が増加します。
自動車保険の等級は、自動車保険の保険金を保険会社に請求しなければ、保険等級が毎年1等級ずつ上がっていき、最高等級が20等級といった共通ルールがあり、これは、自動車保険の更新の際に、保険会社を変更したとしても引き継がれます。
たとえば、最高等級20等級の方が、飛び石によって損害を受けたことによって保険金を請求し、翌年度に19等級へ下がったとしても、さほど自動車保険料の負担が増加しないため、大きな痛手にはならないと考えられます。
一方、7等級や8等級など、自動車保険の等級が低い場合は、翌年度の保険料負担が大きくなってしまうことも考えられるため、こちらは、加入している保険会社へどの程度の保険料に変わるのか、あらかじめ確認してから判断するべきでしょう。
飛び石でガラス交換が必要になった修理箇所と修理費用
飛び石でガラス交換が必要になってしまうケースで最も多いのがフロントガラスになると思われますが、車種や交換するガラスの種類によっては、部品代と作業工賃を含めて10万円以上してしまうのが一般的です。
見積もりの時点で、このくらいの金額が提示された時に、おそらく自動車保険を活用した方が得策である場合が大半ですが、先に解説させていただきましたように、自動車保険の等級が低い場合で、1等級下がったことによる保険料負担の影響が多いと予測される場合は、やはり、保険会社へ確認してから保険を利用するか、利用しないかを判断するのが無難でしょう。
現実的には難しいが、損害を与えた相手に対して損害賠償請求することも可能
こちらは参考程度の解説となりますが、仮に、飛び石によってご自身の自動車のガラス等に損害を受け、その原因になった相手方が明確にわかる場合は、その加害者に対して損害賠償請求をすることも可能です。
上記画像は、筆者自身が実際に飛び石によって損害を受けた時の写真になりますが、見通しの良い直線道路で、かつ、対向車からの飛び石によって損害を受けたことは明白でしたが、中央分離帯があり転回することができなかったこと、時速60kmといった法定速度でお互い走っていたこと、衝撃が大きすぎて相手を特定することができなかったことなどが原因で結果として、相手方に損害賠償することはできませんでした。
飛び石による損害について相手方に対して損害賠償請求をすることは、現実的に難しい部分もあると思いますが、少なくともこのような方法もありますので、知っておいて損はないでしょう。
ちなみに、フロントガラスの部品代と修理代で見積書に提示された金額は、消費税込で123,000円でした。
まとめ
本記事では、飛び石でガラス交換が必要になった場合に利用することができる車両保険の補償解説をはじめ、飛び石でガラス交換が必要になった場合における自動車保険(車両保険)を使うかどうかの判断基準について解説をさせていただきました。
第一に重要なことは、自動車保険の車両保険に加入して飛び石の損害に対する補償をしっかりと確保しておくようにすることです。
そして、保険を使うか、使わないかの判断は最終的にご自身の意思決定による判断となりますが、1等級下がってでも自動車保険を使った方が、おそらく得策な場合が多いのが現状だと筆者は考えています。