車両保険の金額を決める自動車保険車両標準価格表とは
自動車保険料を見直したいと考えている人の多くは、自動車保険比較サイトでどこの保険会社が安いのか比較検討したことがあると思います。
多くの人があまり気に留める部分ではありませんが、自動車保険料の見積り結果、どこの保険会社も極端に大きな保険料の差がないと気が付きませんか?
言われてみればと今、初めて気が付いた人もいると思いますが、実はこれには「自動車保険車両標準価格表」といったものが大きく関係しているのです。
今回は、この自動車保険車両標準価格表と車両保険の関係について解説していきたいと思います。
自動車保険車両標準価格表とは
まずは「自動車保険車両標準価格表」とはいったいどのようなものなのかを説明していきますが、これを説明していくためには「協定保険価額」といったものを知らなければなりません。
この協定保険価額とは、保険契約における自動車の「用途」「車種」「車名」「型式」「仕様」「年式(初年度登録年月もしくは初度検査年月)」で自動車の損耗度を加味した価格のことを言います。
ここで言う自動車の損耗度とは、「自動車価値の減価」を表しているのですが、自動車や電化製品は次々と新しい製品が販売され、必ず年月の経過と共にその価値は減少します。
いわゆるこのことを表しており自動車保険車両標準価格表は、この協定保険価額を基にして各保険会社が作成している保険料価格表のことを指します。
つまり各保険会社間において支払保険料の違いはあったとしても、極端に大きな保険料の差がないのは、協定保険価額が影響しており、自動車の価値に合わせて各保険会社が支払保険料を設定しているからです。
自動車保険車両標準価格表がない場合に懸念される問題点
前項では自動車保険車両標準価格表は、自動車の価値に合わせて各保険会社が設定している支払保険料の価格表である旨を説明しました。
ここでは、この価格表がない場合に懸念される問題点について解説していきます。
自動車保険を使って金儲けができるようになる
自動車保険は、自動車の「用途」「車種」「車名」「型式」「仕様」「年式(初年度登録年月もしくは初度検査年月)」などによって補償限度額が決まっております。
例えば、いつ廃車にしてもおかしくない自動車に多額の保険金をかけることができたらどうでしょう。
自動車事故を起こすことによって、多くの保険金が得られ、自動車事故が多発するだけでなく世の中の秩序がおかしくなってしまいます。
自動車保険や火災保険といった損害保険では、保険で儲けてはならないといった「利得禁止の原則」があるため、このようなことができる状況を絶対に作り出してはならないのです。
価格表があるおかげで、自動車の価値に見合った保険に加入することができ、このような懸念を払拭できていることがわかります。
自動車の価値に見合った支払保険料が平等に設定されなくなる
同じ自動車の支払保険料がA社とB社で極端な差が生じてしまうと価格競争となり、結果として自動車の価値に見合った支払保険料が設定されなくなる可能性が生じます。
これは前述したような自動車保険を使った金儲けにも繋がり兼ねません。保険会社間で、支払保険料の差が極端に生じていないのは価格表があるためだと言い切れます。
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車両保険が決定されるための要素と価格から除かれる要素
ここからは、車両保険が決定されるための要素と価格から除かれる要素との関係を紹介していきたいと思います。
車両保険が決定されるための要素
要素 | 内容 |
---|---|
車両本体 | 車両本体の価格 |
車内定着品 | エアコン・オーディオ・カーナビゲーション・バイザー・その他付属物など |
自動車オプション | サイドエアバック・アルミホイール・エアロパーツ・サンルーフなど |
税金 | 上記内容にかかる消費税 |
出典 おとなの自動車保険ホームページ 車両保険 内容参照を基に筆者作成
車両保険の価格から除かれる要素
要素 | 内容 |
---|---|
下取りに関する費用 | 整備費用など |
自賠責保険料 | 自賠責保険料 |
自動車諸費用 | 車検・登録、車庫証明、下取り費用など |
税金 | 自動車税・自動車取得税・自動車重量税 |
その他費用 | 装飾品・ドレスアップパーツなど |
出典 おとなの自動車保険ホームページ 車両保険 内容参照を基に筆者作成
車両保険が決定される要素として「車両本体」「車内定着品」「自動車オプション」「税金」などが加味されて決定されます。
これらの価格と自動車保険料は密接な関係があり、合理的に支払保険料が決定されていると考えられます。
一方で、車両保険の価格から除かれる要素として「下取りに関する費用」「自賠責保険料」「自動車諸費用」「税金」があります。
これらの支出内容は自動車保険料に反映させてしまうと個人差が生じるものばかりであり、自動車の価値そのものとの関係はないため、こちらについても合理的に支払保険料が決定されていると考えられます。
まとめ
自動車保険車両標準価格表と車両保険の関係について解説しましたが、今回のポイントは以下のとおりです。
ポイント
- 自動車保険車両標準価格表は、自動車の価値に合わせて各保険会社が設定している支払保険料の価格表である
- 自動車保険車両標準価格表は、自動車保険を使って金儲けができるようになったり、自動車の価値に見合った支払保険料が平等に設定されない問題を払拭している
- 車両保険が決定されるための要素と価格から除かれる要素には、自動車保険車両標準価格表で決定した価格の影響を受けている
どこの保険会社の見積もりを取っても支払保険料に大きな違いが生じないのは、今回紹介した自動車保険車両標準価格表のルールがそれぞれの保険会社で設定されており、価格が平準化されているためです。
いわゆる「自動車保険料の相場」が最初からある程度決定しているために、複数の保険会社から見積もりを取得したり、自動車保険比較サイトを利用してどこの保険会社が安いのか比較検討したとしても違和感を感じることが少ないのです。
今回紹介した内容は、多くの人があまり気に留める部分ではないと思いますが、今度、自動車保険料を比較する機会があればこの辺を少し意識して検討してみるのもよいのではないでしょうか。