自動車保険はいらない、不要、無駄という恐怖の自己中心的な考え方の問題点。そんな人にもし遭遇したら?
自動車が絡む交通事故というものは、いつ、どのような形で起こるのか誰にもわかりません。
また、自動車による交通事故が、ご自身のみの自損事故なのか、事故相手も含んだ事故なのかによっても加入している自動車保険からの補償が全く異なることになります。
では、仮に、自動車保険はいらない、不要、無駄という恐怖の自己中心的な考え方の人が自動車事故の相手であった場合は、どのような取り扱いになるのでしょうか。
本記事では、このような場合に生じる問題点およびそんな人にもし遭遇した場合の対処方法を紹介していきます。
まずは、自動車保険の補償範囲を知っておこう
自動車に関係する保険には、主に「自賠責保険」と本記事で解説する「自動車保険」の2種類があげられますが、自賠責保険は強制加入の保険、自動車保険は任意加入の保険といった大きな違いがあります。
また、自賠責保険と自動車保険では、補償の対象が大きく異なる特徴も欠かすことができないポイントです。
補償対象 | 自賠責保険で補償の可否 | 自動車保険で補償の可否 |
---|---|---|
相手の身体に対する補償 | ○ | ※○ |
相手の自動車に対する補償 | × | ※○ |
自分の身体に対する補償 | × | ※○ |
自分の自動車に対する補償 | × | ※○ |
※は契約内容によって補償の可否が異なるため注意が必要です
自動車保険は任意加入であることから、仮に、自動車保険はいらない、不要、無駄という自己中心的な考え方の人が自動車事故の相手であった場合、相手の保険から補償されるのは、自賠責保険からの自分の身体に対する補償のみということになります。
したがいまして、仮に、正面衝突などで双方の自動車が損害を負った場合、相手から自己が所有する自動車に対する十分な補償はなされない可能性が高いことを意味するほか、自己の身体に対する補償も相手側から決して十分な補償がなされるとは限らないことを意味します。
事故相手が、自動車保険に加入しておらず、かつ、経済的に損害を補填できる程の経済力が無い場合は、最悪、泣き寝入りになってしまうことも否めません。
では、このような事態を避けるためには、どのような対処方法があるのでしょう。
無保険車保険もしくは無保険車傷害特約に加入しておく
出典 一般社団法人日本損害保険協会 問13 無保険車傷害保険は、どのような保険ですかより引用
無保険車傷害保険とは、自動車事故の相手方が自動車保険に未加入であることによって、十分な補償を受けられない場合に、保険会社が代わりに補償してくれる保険のことをいいます。
上記イメージ図の解説では、「対人賠償保険を契約していないなど、賠償資力が十分でない他の自動車との事故で運転者や同乗者が死亡または後遺障害を被った場合に保険金が支払われる保険」となっていることから、補償する場合が、「死亡」か「後遺障害」に限定しているといった見方をすることができます。
一方、無保険車傷害特約は、前述した補償に加えて傷害を負った場合も補償になると考えられますが、あくまでも保険会社の保険約款やホームページなどで解説している補償範囲に準じることになります。
車両保険に加入しておく
前項で解説した無保険車保険もしくは無保険車傷害特約に加入しておくことで、自身の身体に対する補償はされることになりますが、損害を受けた自動車にかかる補償は対象外となります。
そのため、損害を受けた自動車の補償を受けるためには、ご自身が加入している自動車保険へ車両保険を付帯しておくことが必要になります。
車両保険とは、衝突、接触、墜落といった偶然な自動車事故によって、自動車が損害を被ってしまった場合に、加入している自動車保険契約や過失割合など総合的に加味され、それらに準じて保険金額が決定される仕組みになっています。
そのため、実際に交通事故が発生して自動車が損害を負ったとしても、いくらの保険金が受け取れるのかといったことは、ケース・バイ・ケースであり不確定なものではありますが、車両保険に加入していなければ、ご自身が加入している自動車保険から補償を受けることはできません。
当然、自動車保険に未加入の相手方から自動車の損害に対する十分な損害賠償は期待できるわけがありませんから、自分を守るといった意味では、車両保険の加入が必須と言っても決して過言ではないでしょう。
無保険車保険・無保険車傷害特約・車両保険には免責事項が定められている
これまで解説した無保険車保険・無保険車傷害特約・車両保険といった内容の自動車保険に加入していることで、仮に、自動車保険に未加入の相手と自動車事故になったとしても自分を守ることができると考えられます。
ただし、重要な注意点として、無保険車保険・無保険車傷害特約・車両保険には免責事項が定められているため、必ずしも補償が受けられるわけではない点には注意が必要です。
以下、参考までに無保険車保険・無保険車傷害特約で保険金が支払われない場合の一例を紹介しておきます。
- 被保険者の故意によって生じた損害
- 被保険者が起こした闘争行為、自殺行為、犯罪行為で生じた損害
- 無免許の者が運転して生じた損害
- 被保険者が、麻薬、大麻、覚せい剤、シンナーなどの影響によって正常な運転ができない状態で起こした損害
- 被保険者が、酒気帯びで起こした損害
上記の免責事項は、一例となりますが、一般常識の範囲内で起きた偶然の自動車事故は、無保険車保険・無保険車傷害特約・車両保険のいずれの補償も基本的には成されることになりますので極度の心配は不要であると考えられます。
まとめ
本記事では、自動車保険はいらない、不要、無駄という自己中心的な考え方の人と自動車事故にあってしまった場合の問題点と対処方法を解説させていただきました。
ご自身が加入している自動車保険は、相手を補償するだけでなく自分も補償してくれる大切な保険であることを絶対に忘れてはなりません。
併せて、ただ自動車保険に加入していれば良いといったことはなく、実際にご自身が加入している自動車保険は、どのような場合に補償され、どのような場合に補償されないのか再度確認しておくことが重要です。
特に、本記事で解説した無保険車保険・無保険車傷害特約・車両保険といった補償は、自分を守ってくれる大切な補償となりますので、支払保険料が高い、安いといった価格だけに捉われずに、万が一のリスクを想定した検討が大切なのは言うまでもないでしょう。
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