軽自動車は保険加入の際「新車割引」が適用されない?
平成30年4月時点で、金融庁が公開している損害保険会社免許一覧を見ると、日本国内損害保険会社及び外国損害保険会社を合わせて52社あります。
その内、日本国内損害保険会社は30社あり、取り扱っている自動車保険の補償内容も様々です。
昨今では、支払保険料の安さが売りのダイレクト型(通販型)による自動車保険の申込が多い傾向にあり、損害保険会社各社で適用する割引内容が異なっております。
その中でも今回はダイレクト自動車保険の代表的な割引でもある「新車割引」についてQ&A方式でご紹介していきたいと思います。
新車割引とはどのような割引なのか?普通車や軽自動車といった車種やその他の条件が必要なのか?など基本的な内容を中心に幅広くご紹介します。新車割引のある保険会社は こちらから
目次
新車割引とはどのような割引なのですか?
損害保険会社によって新車割引が適用される条件に違いのある可能性がありますが、新車割引とは以下の条件にすべて合致した場合に適用されます。
新車割引の適用条件
- 1.契約対象の自動車が「自家用乗用車(普通・小型・軽四輪)」であること
- 2.契約期間の初日の属する月が車検証に記載の初度登録年月(または初度検査年月)から25か月以内の場合
例えば、所有している自動車の車検証を手元に用意し「自動車の種別」「用途」「自家用・事業用の別」といった欄を確認してみましょう。
特別な事情がない場合、「自動車の種別」は「普通」若しくは「軽四輪」、「用途」は「乗用」、「自家用・事業用の別」は「自家用」と記載されているパターンがほとんどだと思われます。このパターンの場合、上記1の条件に合致している事になります。
同様に車検証を見ていくと「初度登録年月」欄がありますので年月日を確認し、契約期間から25ヶ月以内にあてはまっているかどうかを確認する事で上記2の条件に合致しているかが分かります。原則として、どちらの条件も満たす事で新車割引の適用が可能となります。
新車割引の割引率ってどのくらいなのですか?
新車割引の割引率は損害保険会社によって割引率がそれぞれ異なります。以下の図は新車割引率のイメージになります。
新車割引率のイメージ図
車種 | 対人賠償 | 対物賠償 | 人身傷害 | 車両保険 |
---|---|---|---|---|
自家用乗用車 普通車・小型車 |
10%割引 | 5%割引 | - | |
自家用軽四輪車 軽自動車 |
6%割引 | 3%割引 | 23%割引 | 1%割引 |
損害保険会社の新車割引を見ていくと、普通車や小型車には大きな割引率の違いがあまり見られないものの軽自動車における新車割引については対人賠償や対物賠償といった補償内容によって割引率の違いが多く見受けられます。
新車割引が気になる方はそれぞれの損害保険会社のホームページで確認してみるのも良いでしょう。まとめて1回で確認したい方は自動車保険比較サイトを利用するのがお勧めです。
新車割引はすべての損害保険会社で適用が可能なのですか?
結論から申し上げると新車割引は損害保険会社の独自サービスでありますので、対応している会社と対応していない会社があります。新車で自動車などを購入して任意の自動車保険に加入する場合、新車割引を適用できる方が支払保険料を安く抑える事が可能になります。
実際、新車割引サービスを扱っている、扱っていないについては、割引率と同様に損害保険会社のホームページで確認できますが、1つ1つ調べていくのは非常に手間で困難です。従って、新車割引の有無についても自動車保険比較サイトを利用するのが効率的で便利です。
保険会社における新車割引のメリットってどこにあるのですか?
新車割引は損害保険会社において顧客を獲得するための独自のサービスであり、強みでもあります。保険会社における新車割引のメリットは支払保険料を低く抑える事によって保険加入者を増やすための手段である事が挙げられます。
その他のメリットとしては、自動車の高性能による事故損害の低下なども考えられます。自動車メーカーから販売される自動車は年々性能が増しておりますが、交通事故による死亡損害などについては自動車に搭載されている様々な安全機能によって大きく緩和されております。
損害保険会社としては、事故が無ければ保険金を支払う必要がありませんし、被害が少ない程、支払う保険金も少なくて済む事になります。
これは損害保険会社の利益に直接影響を及ぼす要因になるのと同時に保険契約者に対しても支払保険料の割引という形で還元しているという考え方に繋がります。
つまり、保険契約者及び損害保険会社の双方にとってメリットがあると考えられます。語弊のないようにあらかじめ申し上げておきたい点と致しまして、新車割引を扱っていない損害保険会社が悪い事は決してありません。
このような保険会社は他の割引サービスや他の補償内容に厚みを持たせる事によって独自サービスの強みを展開しているのです。
自動車保険の新車割引はいつまで適用されるのですか?
上述したように、新車割引は「契約期間の初日の属する月が、車検証に記載の初度登録年月(または初度検査年月)から25ヶ月以内」の場合に受けられます。
たとえば2018年6月1日に初度登録された車の場合、同じ6月中に自動車保険に加入すれば、2回目の更新時にも新車割引が適用されるため、最大3年間割引を受けられることになります。
ただし、一部の自動車保険には新車割引の期間が25ヶ月ではないものもありますので、要確認です。たとえばJAの自動車共済(クルマスター)では、初度登録年月から13ヶ月以内となっています。
新車割引は中古車にも適用されるのですか?
新車割引は、決められた期間内であれば中古購入した車にも適用されます。
新車購入した場合と比べると適用期間は短くなりますが、初度登録年月から25ヶ月以内に保険の契約がスタートすればOKです。
軽自動車は保険加入の際「新車割引」が適用されないのですか?
ここまでご紹介した新車割引における「まとめ」となりますが、契約する損害保険会社において新車割引を扱っている事やその保険会社が設定した新車割引の条件を満たしている場合は軽自動車においても新車割引が適用されます。
新車割引率のイメージ図でご紹介したように実際問題として、普通車と違い軽自動車の割引率は損害保険会社各社において差が生じているのが現状です。
そのため軽自動車において、冒頭でご紹介したダイレクト型(通販型)の申込では新車割引が適用されない場合も保険会社によって見受けられます。
もちろんダイレクト型で且つ新車割引が適用される損害保険会社もありますが、数が少なかったり、補償の面で比較した時に自身にとってやや不十分であったりなども考えられます。
人によって自動車保険の優先順位が「保険料の安さ」「補償の内容・質」と様々です。中にはどちらにおいても譲れないという人もおられるでしょう。
いずれの場合でも自動車保険選びにおいて自身のニーズにあった保険会社や保険商品を比較検討し、じっくりと吟味した上で選択する事が効率的且つ重要である事は言うまでもありません。
軽自動車は保険加入の際「新車割引」が適用されないのですか?
ダイレクト型自動車保険における新車割引の有無
ダイレクト型自動車保険の新車割引の有無と、軽自動車にも割引が適用されるのかどうかを、代表的な保険会社を例にとってご紹介します。
普通自動車および小型自動車 | 軽自動車 | |
---|---|---|
アクサダイレクト | × | × |
イーデザイン損保 | 〇 | × |
SBI損保 | 〇 | × |
セコム損害保険 | 〇 | 〇 |
セゾン自動車火災 | 〇 | 〇 |
ソニー損保 | 〇 | × |
そんぽ24 | 〇 | × |
チューリッヒ | 〇 | × |
三井ダイレクト損保 | 〇 | 〇 |
ここに挙げた9つのダイレクト型自動車保険の中で、軽自動車にも新車割引が適用されるのは「セコム損保」「セゾン自動車火災(おとなの自動車保険)」「三井ダイレクト損保」の3社という結果になりました。
つまり、軽自動車は新車割引の対象になっていない会社のほうが多いということになります。
また、軽自動車に適用される場合でも、割引率は普通自動車より低くなっている可能性があります。理由は定かではありませんが、軽自動車は新車と中古車で事故率が大きく変わらないからかもしれません。
ただし、ダイレクト型自動車保険なら新車割引に頼らなくても、保険料は十分に安くできる可能性が大ですので、一度見積もりをとってみることをおすすめします。
その際は、複数の保険会社にまとめて見積もりを依頼できる「 一括見積サイト 」を利用したほうが圧倒的にラクです。